大学職員の求人が「今、全国にどれくらい出ているのか」を示す公開データは、実はほとんど存在しません。求人が各大学の公式サイトに分散していて、誰も集計してこなかったからです。
ヤドルは全国50大学の公式採用ページを毎日自動クロールしています。このレポートは、そのデータベースから見える大学職員採用市場の定点観測です(集計基準日: 2026年7月11日)。
サマリー
- 集計対象: 国公私立50大学(公式採用ページを毎日クロール)
- 募集中の職員求人: 422件(募集中の求人がある大学: 46校)
- 最多の職種キーワードは事務補佐員(115件)、次いで技術補佐員(73件)
- URA・コーディネーター・研究支援などの専門職求人が計30件超
設置区分別: 国立が7割を占める
| 区分 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 国立 | 300件 | 71% |
| 公立 | 21件 | 4% |
| 私立 | 101件 | 23% |
国立大学が圧倒的に多いのは、国立には非常勤・契約職員の募集を公式サイトで随時公開する文化があるためです。京都大学62件・名古屋大学36件・筑波大学36件など、大規模国立大は常時数十件の募集を出しています。
一方、私立大学の専任職員求人は市場全体で見ると希少です。私大は新卒一括採用やマイナビ等の外部媒体を使うことも多く、公式サイトに出る中途・専任の募集は「出たら早い者勝ち」になります。求人の探し方で書いたとおり、毎日チェックする仕組みを持つ人が有利な構造です。
エリア別: 関東・関西で6割、地方国立も厚い
| エリア | 件数 |
|---|---|
| 関東 | 158件 |
| 関西 | 98件 |
| 東海 | 68件 |
| 甲信越・北陸 | 32件 |
| 九州・沖縄 | 25件 |
| 中国・四国 | 21件 |
| 北海道・東北 | 20件 |
関東・関西の2大都市圏で6割を占めますが、金沢大学28件・広島大学15件など、地方の基幹国立大が地域の安定した求人源になっているのがこのデータの発見です。UターンやIターンで「地元で大学職員」を狙う場合、まず県庁所在地の国立大学の採用ページを見るのが定石と言えます。
雇用区分別: 入口は非常勤・契約が厚い
| 雇用区分 | 件数 |
|---|---|
| 職員(一般・補佐員等) | 194件 |
| 臨時職員 | 94件 |
| 契約職員 | 45件 |
| 特任職員 | 33件 |
| 専任職員 | 28件 |
| 嘱託職員 | 28件 |
いわゆる「正社員」にあたる専任職員の募集は422件中28件。市場の大半は有期雇用です。ただしこれは悲観材料ではなく、嘱託・契約から専任への登用ルートで解説したとおり、有期で入って内部登用を狙うのが大学業界の現実的なキャリアパスのひとつです。
職種トレンド: 専門職採用がはっきり見える
タイトルに含まれる職種キーワードを集計すると:
- 事務補佐員: 115件
- 技術補佐員: 73件
- 研究支援: 12件
- コーディネーター: 11件
- 国際関連: 10件
- URA(リサーチ・アドミニストレーター): 9件
- 図書系: 7件
- 広報: 5件
注目はURA・コーディネーター・研究支援で計30件超という専門職の存在感です。政策データで読む大学業界の10年後で書いたとおり、国の政策は大学職員に経営・研究支援の専門性を求める方向に動いており、その変化が求人データにもはっきり表れています。民間でのプロジェクトマネジメント・データ分析・渉外経験は、この領域でそのまま武器になります。
締切データ: 4件に3件以上が「随時・要確認」
募集要項に締切日が機械的に判定できた求人は19件で、大半は「随時」または要項PDF内の確認が必要でした。締切が明記された求人の残り日数の中央値は51日ですが、「適任者が決まり次第終了」の随時募集は実質的に早い者勝ちです。気になる求人は「締切まで余裕がある」と考えず、すぐ要項を確認することをおすすめします。
調査概要と引用について
- 調査主体: 大学職員求人メディア「ヤドル」(運営: パトリア)
- 方法: 全国50大学の公式採用ページを毎日自動クロールし、募集中の職員求人(教員公募を除く)を集計
- 基準日: 2026年7月11日
- 対象: 掲載大学の一覧はトップページをご覧ください
本レポートの数値・表は、出典として「ヤドル調べ(yadoru.tokyo)」と明記のうえ、自由に引用・転載いただけます。報道・研究・ブログ等でのご利用も歓迎します。リンクをいただければ、更新時の最新データもたどれます。
このレポートは毎月更新の定点観測として継続します。大学職員の採用市場が「見える」ことが、志望者にとっても大学にとっても良い採用につながると考えています。
来月号もお楽しみに。転職活動そのものの進め方は大学職員への転職 完全ガイドをどうぞ。
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